家族でお互いの良いところに目を向け、伝え合う習慣
家族でお互いの良いところに目を向け、伝え合う習慣
日々の生活の中で、私たちはつい家族の気になる点や問題に意識を向けがちかもしれません。しかし、意識的に家族一人ひとりの良いところ、感謝できる行動、ポジティブな面に目を向け、それを言葉にして伝え合う習慣は、家庭内の雰囲気を明るくし、家族の絆を深める力を持っています。
この習慣は、特別な時間や準備を必要としません。忙しい毎日を送る中でも、短い時間を使って実践できます。そして、ポジティブ心理学で重要視される「強み」や「ポジティブな感情の共有」、「関係性の構築」といった要素にもつながり、家族全体のウェルビーイング向上に貢献します。
なぜ「良いところに目を向ける・伝え合う」ことが大切なのか
私たちの脳は、ネガティブな情報に注意を向けやすい性質があると言われています。これは、危険から身を守るためには役立つ機能ですが、日常生活においては、無意識のうちに家族の欠点やうまくいかない出来事にばかり注目してしまう原因となることがあります。
しかし、意識的にポジティブな側面に焦点を当てることで、ものの見方が変わり、感謝の気持ちが生まれやすくなります。さらに、それを言葉にして相手に伝えることは、コミュニケーションの質を高め、お互いを尊重し合う関係性を育むために非常に有効です。
- 感謝の促進: 良いところに気づくことは、相手への感謝の気持ちにつながります。
- 関係性の向上: ポジティブなフィードバックは、相手の自己肯定感を高め、安心感と信頼感を育みます。
- 家庭の雰囲気改善: 肯定的な言葉が行き交うことで、家庭全体が温かく、明るい雰囲気になります。
- 自己肯定感への影響: 良いところを伝える側も、相手のポジティブな面を見ることで自身の気分が良くなり、伝えられる側は自分は価値のある存在だと感じやすくなります。
日常に取り入れやすい実践方法
家族でお互いの良いところに目を向け、伝え合う習慣は、ほんの数分でできるシンプルなものです。日常生活の様々な場面で試してみてください。
1. 短い時間を見つけて話す
- 食事の時間: 食卓を囲んでいる時、「今日の〇〇、〜なところがすごく良かったね」「〜してくれて助かったよ、ありがとう」など、短く具体的に伝えてみましょう。
- 寝る前の時間: 寝る前に、今日あった良いことや、家族の良いところを一人ずつ話す時間を作るのも良い方法です。子どもと一緒に、「今日パパ(ママ、〇〇ちゃん)のすごいと思ったところは?」と問いかけてみるのも良いでしょう。
- 移動中や家事の合間: 歩いている時や、一緒に何かをしている時に、「今の〇〇の言葉、嬉しかったな」「〜の上手だね」など、思いついた時に言葉にしてみるのも効果的です。
2. 具体的に伝えることを意識する
「いつもありがとう」という感謝の言葉も大切ですが、「〜してくれてありがとう」「〇〇の〜なところがいいね」のように、何に対して感謝しているのか、具体的にどんな点が良いと感じたのかを伝えることで、相手は自分の行動や存在が認められていることをより強く感じられます。
3. 子どもと一緒に楽しむ工夫
小さな子どもには、言葉だけでなく絵や簡単なゲーム形式で伝えるのも良いでしょう。
- 「ありがとう」や「いいね」を書き出す: ポストイットなどに、家族の良いところや感謝を書き出し、共有スペース(冷蔵庫など)に貼る。
- 良いところ探しゲーム: 一週間で家族それぞれの良いところを一つずつ見つけて発表するなど、ゲーム感覚で取り入れる。
4. 受け止める姿勢も大切にする
良いところを伝えられた時は、「ありがとう」と素直に受け止めることも重要です。照れくさいと感じるかもしれませんが、相手の気持ちを受け止めることで、コミュニケーションの輪がスムーズにつながります。
小さな一歩から始めてみる
この習慣は、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは週に一度、家族の一人に対して意識的に良いところを探し、伝えてみることから始めてみましょう。慣れてきたら頻度を増やしたり、家族全員で取り組んだりすることができます。
忙しい日々の中でも、家族のポジティブな面に光を当てるこの小さな習慣は、家庭に穏やかで温かい時間をもたらし、お互いの存在への感謝を深める助けとなるはずです。ぜひ、できることから少しずつ試してみてください。